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zoom RSS トレーナーが「コマンド」、「陽性強化」を使わない理由

<<   作成日時 : 2018/08/27 18:47   >>

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「コマンド」という言うと、「キューでしょ」、と、トレーナーに毎回訂正されるから、気を付けているんだ、

と、行動治療認定獣医師のDr. John Ciribassiは2015年IAABCカンファレンスの講義で仰っています。

行動治療の専門医も、つい口にしてしまう、業界のタブー用語、「コマンド」。

ドッグトレーニングにおいて、「コマンド」とは、犬に対する指示を意味します。
「お座り」 「伏せ」 「Come」 「Stay」 といったものです。

日本でも、ここ10年ほどでこのコマンドという言葉を使うトレーナーが激減したと思います。

コマンド (Command) というのは直訳すれば「命令」です。

命令なので、従わないという選択肢は理論上なく、従わなければ罰が課せられます。
プログラミングにおける 「コマンド」も、指示を実行するツールであり、実行されない場合はプログラミングエラーです。正しくプログラミンングされていれば確実に実行されて当たり前なのがコマンドです。


同時に、「陽性強化」という言葉を使うトレーナーも激減したと思います。

ASAETの動物介在教育エデュケーター講座で、安藤考敏先生が仰った言葉になるほどと納得したのを覚えています。

心理学ではどの業界でも「正の強化」という言葉を使うけれど、何故ドッグトレーニング業界だけは「陽性強化」というだろう、と不思議でした。欧米のドッグトレーニング法を日本に紹介する際、日本の獣医師が訳したのではと考えられてますね。

今では広く知られている、Positive Reinforcemet=正の強化。医療でPositiveというと、陽性反応の陽性、という考えからドッグトレーニング界だけ、この陽性強化という言葉を使うようになったと考えられています。

現在では「陽性強化」という言葉を耳にすることが減りました。
日本独自の造語なので、「陽性強化法」の定義もあやふやで、褒めるトレーニング、とか、犬の自発的行動を育むトレーニング、とか、いろんな解釈があって、人によって意味するところは違うようです。
「アニマルセラピー」という日本独自の造語にも通じるものがあります。


「正の強化」とは、定義上、単に、
ある条件において(A)、ある行動をした(B)、そしたら良い結果となった(C)から、同じような条件(A)が提示された際、同じ行動(B)を取る頻度が増える、という事です。

これは、
A 「お座り」、と人が言った、
B 犬は座った、
C 結果、美味しいおやつが出てきた、もしくは、扉が開いてお散歩に出れた、等々
P おそらく、今後も 「お座り」と言われたら犬は座る頻度が増えるでしょう。

また、
A 「お座り」、と人が言った、
B 犬は人に飛びついて顔をベロベロ舐めた、
C 結果、人はキャーキャー声を出し、床で犬とレスリングした
P おそらく、今後も 「お座り」と言われたら犬は飛びつく頻度が増えるでしょう。

また、
A 人がモップで床掃除をしている
B 犬はモップにかみつき引っ張った
C 結果、人は「ダメ!」と言いながら引っ張り返し、犬とひっぱりあった。
P おそらく、今後もモップを持ったら、犬はモップにかみつく頻度が増えるでしょう。

上記どれも犬にとっては、正の強化の学習です。 
嬉しい結果が得られたから同じチャンスが巡ってこれば、同じ行動を繰り返す。
それが人にとって都合が良いかどうかは別として。


話はコマンドに戻ります。

上の例で「お座り」がコマンドで、「お座り」=犬は座る、という絶対指示であったならば。
実施されて当たり前なので、飛びつくという行動はあり得ない、コンピューターならあり得ないエラーですし、人なら罰の対象となりえます。

人間の指示は絶対であり、、コンピュータはプログラム通り実行するように、犬も行動を実行するよう、人がコマンドする、ということです。

今となっては「陽性強化法」の定義が定かではないのではっきり矛盾しているとは言えませんが、
犬に行動の選択肢がないのであれば、それは強制訓練ではないのかな、とも思います。

もちろん、私は犬に命令している!と強い意識を持って「コマンド」という言葉を使っているトレーナーはほぼいないと思います。
「陽性強化」同様、そう学んできたので、「コマンド」と使っているだけの人が殆どだと思います。


キュー(Cue)というのは合図、とか、きっかけ、とかを意味します。
コマンドと違い、「お座り」の合図で、座ろうが、飛びつこうが、離れていこうが、犬には常に選択の自由があるのです。

指令者主体の人間目線の「コマンド」時代から、学習者主体の犬目線の「キュー」へ、と
ドッグトレーニング業界は大きくシフトしてきました。


いつも思うのですが、ドッグトレーナーはネゴシエーターの様なものだと感じます。

人間目線と犬目線の折り合うところのコーディネーターというか。

オーナー、ご家族の望むところ、犬が望むところを探り、人には説明し、なんとか合意点を見出し、双方が満足できる結果へと環境を整え導くことがドッグトレーナーの大切な仕事の一つだと考えます。

なかなか難しい事ですが、これからも犬と犬と暮らすご家族双方が幸せな関係を築けるよう、腕と知識を磨いてお役に立っていけたらと思います。

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